エンターテインメントの本質

「エンターテインメントの本質」について。

人をわくわくさせるって、楽しませるってどういうことだろうと、思考を巡らせていての備忘録。

 

 

エンターテインメントはおもしろい。驚きがある。感動する。

演劇にしろ、ジェットコースターにしろ、1回目が一番面白い。

2回目以降は1回目に比べて面白さが少なくなる。

展開を知ってしまっているからだと思う。

 

たとえ知らなくても、展開を予期できてしまうものはそんなに面白くない。

使い古されたネタ、使い古されたストーリーなど。

 

予期できなくとも、わからなすぎるものは面白くない。

面白いと感じる漫才師は、観客が予期する展開から、ちょうど良い「裏切り」をしてくる。

思考の一歩分を裏切られるくらいがちょうど良い。

 

学生時代に某お笑いの劇場でアルバイトをしていた時、1年間に400舞台は芸人のネタを見ていた。

とあるコンビで、スタッフや芸人、コアなお笑いファンから人気が絶大な芸人がいた。

その芸人のネタの最中、客席はいつもポカーンとしていた。

一般のお客様には意味がわからない。

お笑い関係者にはすごく面白かった。

 

お笑い関係者は一般のお客様よりも多くの芸人の様々なネタを毎日見ている。

だんだん展開や落としどころが頭の中でパターン化されてわかってくる。

一般のお客様受けする芸人のネタは、ほぼパターン化されている。

展開が読めてしまう。

読める展開からさらに裏切ってくるのが、先ほどの芸人だった。

彼らのネタは、一般の人からすると「展開の裏切り」が何度も起こっている。

意味がわからなくて、付いていけなくなる。

見る人にとってちょうど良い「裏返し」がしてくるものが面白いのだ。

 

 

エンターテインメントを提供する立場の人は、エンターテイメントを享受する立場の人(お客様)よりも、常に先へ思考していなければならない。

お客様の予期できない距離と方向とスピードで思考を進めなければならない。

お客様より早く深く多く考えていなければならない。

話が面白い人は頭の回転がとても早いし、企画が面白い人は人が思いつかない方向性を考えているし、人が考えていない時間も考えていることは確かだと思う。

 

そして、「一歩先」というのが重要だ。

一歩先でないとお客様は着いてこれなくなる。

独りよがりに思われてしまう。

ちょうど良い距離を先に行くことが重要だ。

一歩先を先導するくらいがちょうど良い。

だから、ターゲットとなるお客様が「どこにいるか」把握している必要がある。

お客様の思考の段階を追っていなければならない。

 

ジレンマである。

エンターテインメントを提供する仕事をしている以上、お客様よりも早く、深く、多くを考えていなければならない。

しかし同時に、お客様と同じ感覚を持ち続ける必要がある。

ジレンマだが、バランス感覚を無視した瞬間にヒット企画は作れなくなる。

前職で成果を出していた優秀なプランナーは、担当サービスを誰よりも使い倒していた。

ヒットメーカーはこのバランス感覚に長けているし、バランス保つための努力もしていると思う。

 

人を楽しませることの本質は、「思考の一歩先での裏切り」だと思う。

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